来週はホワイトデー。
姉さんいわくバレンタインデーにチョコを貰った男の子が
女の子になにか返さなくてはいけないらしいのだが・・・
「なにをかえせばいいんだ・・・」
僕は途方にくれていた。
こういうイベントは初めてだし、相手はお嬢様だ。
もし粗相でもして嫌われたら・・・
バレンタインデー以来僕は少し、いやかなり
変わったのだろう。
前より笑うのが増えたし、なによりお嬢様との
触れ合いがかなり増えた。と思う。
あの日から数日後一緒に海に行ったとき
お嬢様に告白をされた。
すこし戸惑ったが僕はその告白を受け止めた。
でも関係はなにもかわらないし、
遊びにいったりだってしていない。
でも僕はこの関係が心地良いし、
なにより海も空も青く見えるようになった。
だからこそだ!その感謝もこめてホワイトデーにはなにか
いいものをあげないといけないと思う。
でもお嬢様が喜ぶもの・・・そんなの僕には分からない。
熊沢さんに聞いてみたら「やはり鯖です。」の一点張りだし、
姉さんに聞いてみても、
「嘉音君があげるものならなんでも良いと思う」
なんて言うし、僕はどうすれば・・・・
「うーん・・・」
「かーのんくんっ」
「あっお嬢様」
前から駆けてくるのはお嬢様だ。
いつものようにニコニコ笑っている。
僕には有り得ない事だな・・・
でもこのタイミングでお嬢様が来るって事は
きっと神様のお導きなのでは・・・・←
「あの、お嬢様・・・」
「ん?どうしたの嘉音君?」
「あ・・・あのお嬢様は今何か欲しい物はありませんか?」
「えっうーんそうだなあ・・・特にはないかな」
「そっそうですか・・・」
なにもないのか・・・
どうしよう、ならなにをあげればいい?
もういっそ僕にリボンでもつけて
「僕をプレゼント☆」とか言えとでも!?←
「あっでも、物じゃないんだけど・・・」
「はっはい、なんですか?」
「一日、嘉音君と一緒に過ごしたいな・・・」
顔を真っ赤にしてうつむくお嬢様
僕はそれをとても愛しいと思った。
「そんなことで良いんですか?」
「もちろんだぜ!」
僕はくすっと笑ってから辺りを見渡した。
そして誰もいないことを確認し、
お嬢様を・・・抱きしめた。
「かかかかか嘉音君!?」
「嫌ですか?お嬢様」
そう僕が聞くとお嬢様は本当に小さなか細い声で
「ううん・・・もうちょっとこのままが・・・いい」
と言った。
ほんとなんて可愛いんだろう。
「来週の土曜日どこかへでかけましょう。
僕はその前の日福音まで帰りますので、
港まで迎えに来ます。
だから朝の便で・・・来てくれますよね」
「う・・・うん。」
「ありがとうございます」
そう言って僕は体を離した。
お嬢様は顔が真っ赤でトマトみたい。
「あ、でも、でもね」
「はい?なんでございましょうか」
「朱志香って呼んでくれなきゃ、やだ」
ああ、なんてこの人はこんなにも可愛いのだろう、
僕はもう一度抱き寄せ耳元で囁いた。
「わかりました、朱志香。これでいいですか?」
「うっうん、ありがとう」
「では、また」
僕がそう言い離れようとするとお嬢様、いや朱志香が
駆け寄ってきて、
「嘉音君、大好き」
そう言って走り去って行った。
本当に可愛い人だ。
「僕も大好きです」
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文才が欲しい(^^)
腕を頑張って磨きますよお!←